2013年8月31日土曜日

驚きな見積もりが仕上がりまして

建築申請を行っている間、申請が通ったら直ぐに行動に移せるよう、こちらもぼーっとしているわけにはいきません。

どんな材料を使って、どのように仕上げていくのか詳細を詰めて話していきます。
すると自然にどのくらいの予算がかかっていくかも見えてきますので、見積もりを出していただくことにしました。

プロジェクトが動き出す初めから、予算については安く抑えたいという願いがありました。
馬場正尊准教授にも相談しながら予想していたのですが
「大体、坪50万とかが、山形県の相場じゃないかな。」
ということもあり、あまり構えていませんでした。


しかし、現実はそう甘くはないものです。
予想のはるか上を行く金額が目の前に提示されてきました。


唖然・・・・。


その言葉しかありません。
肺を押しつぶされたかのように呼吸は滞り、何が起きたのか理解するため、頭はフル回転です。
本当に衝撃的でした。

そんなに多大な要求をしたのだろうか、デザインは小屋のようだと馬場准教授もおっしゃられていたし、大したものではないはず、では何がいけなかった?

そんなことばかり頭が巡ります。

とりあえず、現段階で削減できるところはないか皆で検討します。これをVE(=Value Engineering)と言うようです。

今回、意匠の面で、外壁は木材を使うということは譲りたくありませんでした。
ここを窯業系サイディングに変更すれば、80万は落とせると言われましたが妥協できませんでした。
他にも床も家具も木材で検討していましたが、店舗の維持もことも考慮し、内装は木材を使うことを諦めました。
さまざま意匠面で予算を抑えても、金額が落ちていきません。
やはり、店舗より厨房設備にお金がかかっていしまうようです。

オーブンの換気扇が特注であったり、200V電源をたくさん使わなくてはならなかったりと、住宅に比べて特殊なことが多いことが要因の一つとして挙げられます。

父も私も、諦めたくはなっかたけれど予算との兼ね合いに負けた部分はたくさんあったようです。
しかし、お盆前には私たちも、工務店側も納得のいくところまで話し合いをし、なんとか実現できそうなところに落ち着くことが出来ました。

そろそろ着工間近です。緊張してきました。



2013年8月18日日曜日

建築士に建築申請頼みまして


さて、パン屋の方はどうなっているのかというと、建築申請を依頼し始めました。

タイトルも漢字がたくさん使用されて固いイメージがあると思いますが、まったくそのとおりなのです。

平面図、断面図、立面図などデザインが決まったところで、1級建築士の方に、役所に申請するための図面を書いていただかなくてはなりません。

私は、あくまで学生の立場でしか図面を書くことができないので、ここはプロの力を借りるしかありません。

素晴らしいことに、お隣さんが工務店という奇跡に引き続き、3軒隣は1級建築士事務所という奇跡です。

さっそく、父と工務店さんと私で頼みに行きます。
とっても楽しそうに快諾。ほっと一安心しました。

ここからは、大学4年間で学んだこと以上の知識が目の前で繰り広げられるため、話を聞き洩らさないよう必死です。
課題というものは現実を想定しつつも、やはり机上の空論のひとつだなと痛感しました。

デザイン上は窓が6つだけれど、法律上7つなければ排煙が出来ない計算になる。
さらに高さは、最高高さから800mm以内でなければならない。
採光が取れる窓が少ないから、勝手口も窓とみなせるようにしよう。
などなど、法律との兼ね合いでどんどんデザインが変わっていきます。

用途地域上、決まりごとが厳しいところがあるため、妥協点がたくさんあり、どうしようかその場で決められないことがたくさんありました。

数回に分けてデザインを直していき、詳細まで表現された図面が次々に出来上がってきました。

これが実際に書いていただいた平面図になります。
感想として、1番初めに密度が濃いな、と感じました。
ザ・学生の意見と言われても仕方ないですね。
しかし、プロになるにはこのくらいの実力をつけないといけないんだ、と自信を奮起させるいい機会となりました。





このような過程を経て、現在建築申請が下りてくるのをまっている状況です。
これが終わればいよいよ着工に向けて動き出します。


 

2013年8月6日火曜日

父が生徒になりまして

さて、今回は父がパン屋を始めるにあたって新たに始めたことをご紹介します。


それは、パソコンです。パソコン教室の生徒となりました。


父は、超アナログ人間で、私が幼い頃はワープロを使って資料を作っていました。
ワープロってWordのことでしょ?とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが違います。
パソコンのように画面はありますがとても小さく、キーボードはかな入力で行うというようなものです。文字を打つためだけの機械が昔はありました。
そのワープロも気が付けば機能しなくなり、父は手書きで会議資料などを作成する日々となりました。
パソコン覚えたほうが楽だと思っていましたが、父がそれでいいならいいかと私も母も干渉しませんでした。

しかし数年前、父は突然パソコンが使えないことに恥ずかしくなったのです。
理由は、同僚の方の大半がWordであることに気がついてしまったからでした。
今更すぎない?という気持ちは否めませんでしたが、父のプライドのため、ぐっと我慢です。

父はワープロでかな入力にしか慣れていなかったため、ローマ字入力が全くと言っていいほどできませんでした。
当時、私は父が苦戦していることなど知らなかったため、かな入力の切り替え方を教えてあげようなど少しも思いませんでした。
母もパソコンには疎いので、切り替え方が分からず、結局父はローマ字入力で奮闘します。
しかし、A4の資料1枚に3時間以上かかってしまい、父はパソコンを覚えることを放棄してしまいました。

けれども、今回は家族を巻き込んでまでパン屋を始めるのです。
営業の管理などさすがに手書きなどではつらいと思ったのでしょう。
さすがの父も、重い腰をあげ、自らパソコン教室に通うと決断しました。
やっと父も現代文明に近づいた、とほっとしています。

また、苦戦して気が滅入ったりするのかな、と心配していましたが無駄でした。
通い始めたとたん、水を得た魚のように、いきいきとWordについて語り始めるじゃありませんか。
新しい文明に触れたことで、脳が活性化しているようです。
ですがその話の内容も、普段パソコンを使用していらっしゃる方にとっては当然のことばかりで、今更という気持ちはやはり否めません。

しかし、楽しそうに勉強していることはとてもいいことだと思うので、WordやExcelのすごい機能とやらの話を聞いてみようと思います。